気持ち

真ん中の亀裂に肌寒い汗が滑り込む。
涙がぐちゃぐちゃになって、鳴って、成った。
「好きだ。」といえる気持ちこそが
僕の中に足りなかったのだと今知る。
言葉の中に消えていった気持ち、気持ち。
あぁ、涙を拭かないで
鏡返しに全ての世界が僕を拒絶する
あぁ、汗を拭わないで
悪循環は全ての世界で僕が体験する
むずかしいことはやらなくていいの
やりたくないことはやらなければならないの
そうなの、僕が、僕自身が。
僕の中に消えていったのだと今知る。


何かほろ苦い日常の隙間
陰鬱として鬱蒼として
どんなに涙流したって、こんなに声の限り叫んだって
誰かが助けてくれるわけじゃないのに
自分で解決することは出来ないのか?


どこか甘酸っぱい世界の周縁
朦朧として暴走として
どんなに励まされたって、こんなに慰められたって
自分は救われるわけじゃないのか
他人が解決することも出来ないのに?


10×10分の1。が僕と同じ高さだった。
66×秘密。  が君が抱えた極上の贅沢。
29×電磁波。 が間に潜む波の無い並。


朝が焼ける空のにおい。
あの闇をさらう緑色の帯を
少なくとも僕が忘れなければ
いかがわしくも晴れやかな、365日。


月が昇る空のうつろい。
この雲を繋ぐ灰色の線を
とてつもない世界が写し出せば
美しくも軽やかな、1年という単位。


出来ればその手をずっと繋いでいたいと思った。