夜の華 鋼の盾 第3幕 第三場

夜の華 せつなに散りゆくものとして。
 鋼の盾 守るものを守るために。
 いつか貴方は 何処かへ向かうの?
そして私は 流れていくの?

そして 彼らは 今日も どこかで。


第3幕 第三場 ピートとロッテ 暗闇


 暗闇。そこにピートとロッテ。


「…暗い」
「暗いね」
「…」
「何か思い出すだろう?」
「…」
「彼を思い出すだろう」
「…」
「何故君は任務を続ける?」
「…」
「欠陥品のくせに」
「違います」
「あの夜に紛れもなくわかったことだ」
「…」
「何故?」
「彼は、私を…」
「好きだったの?」
「…いいえ」
「好きだったんだ」
「違います」
「マックスを?」
「…」
「後悔?」
「やめて」
「追悼?」
「やめて」
「もう遅いよ」
「やめて」
「見苦しいな」
「…やめて、ください」
「君が殺した」
「やめてください」
「彼は犠牲になった」
「違う」
「違わない」
「違う!」
「可愛いね」
「いや…やめてください」
エドはお前が殺した!」
「いや、いやーっ!!」
頭を抱え、震えるロッテに、ピートはその腕を回して強く抱きしめた。
「…可愛いよ、ロッテ」
 ロッテのその黄金に光る長い髪を撫で、ピートは優しく呟いた。
「僕は君を離さないよ」


 優しく。