交差旋律 第一楽章 その4

今回は文化背景の説明です。

家(イエ)
主(アルジ。イエの血を最も濃く受け継ぐ者。男性がなるのが慣例となっているが、性別は問わない)を中心とした氏(ウジ。イエの血を持つものに与えられる姓名または人間の事を指す)の集まり。
ふつう3世代ほどで、数十人単位で暮らす。家では15柱神のどれかを祀っているのが普通。
家では主が家の中全ての権利を有し、家の者全てを取り仕切る。
家は親子、兄弟などの上下関係がはっきりしており、子供であったとしてもそれは守らねばならない。また、家毎にも上下関係があり、これを格(カク)という。


友(トモ)
友好関係にある家同士では、それぞれ年の近い者たちが親密な関係を結ぶことがあり、これを友(トモ)という。
友は家の格や血筋などに関係なく行われるが、格の近い家同士が関係を強固にするために意識的に行うことがあり、これは特に講(コウ)という。
また、講を組織化し、学習や訓練などを日程を組んで取り組むものを校(コウ)という。


国闘技(コクトウギ)
自らの肉体でもって相手と力や技を競う競技。
元来は神に豊作を祈る行事が転化したとも、家同士の争いを簡略化するために用いられたのが発祥だとも、様々に言われている。
自らの身体だけで闘うことが前提で、武器の使用などは不可。
魔術等は、闘技場そのものが強力な結界として働くために使用できない。
国闘技は全国的に広く行われているが、州によって扱いが異なる。
国闘技が国の重要な行事である関塀州では、年5回定期的に大会が催され、闘士も重用されるが、胡備州では怪力男同士のぶつかり合いといった、見世物の意味合いが強いものとなっている。
(以下、関塀州の場合)
闘士となるものは10〜13歳ころから、専用の施設または闘士の訓練所で厳しい訓練を受け、訓練生→準格闘士→正格闘士と昇格していく。
正格闘士まで辿り着くのは訓練生の半分以下で、昇格までに10年以上を要する。
家の格なども、勝利に従い昇格していくために、黒房都では闘士の名家も多い(呉家など)。